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2-C 今月美並
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掲示板を見ること数分、私の名前が目に入ってきた。
思ったよりも見つけるのに時間がかかってしまった。
C組…屋上へ行くには2年生の教室の中でも一番いい。
校舎に入り階段を上がる。
「ありゃ、その長い黒髪!美並じゃん?おはー」
「あっ…おはよー!」
踊り場で昨年度同じクラスだった同級生に声をかけられる。
今日のために仕込んだであろうネイルを輝かせ挨拶してきた。
「美並、クラスどこ?」
「C組になったよ」
「えー、まじー?わたしB-」
「まじまじ!えー残念!」
「去年仲良くなったのにさよならじゃーん」
悲しそうだけど今生の別れではないので笑顔で返してくる昨年度の友人。
私自身も同様に笑顔で返す。
『独り』はやはり心細いのだろうか?
気さくな彼女はこちらに横目を向けながら続けた。
「最近彼氏とあんまりうまくいってなくてー」
「あぁ、えーっと…冬くらいから付き合ってる?」
「そーそー!バレンタインから。でも最近そっけないんだよねぇ。」
「んー、何か心当たりあるの?」
「んーや、全然。」
顎に手を当て考えるそぶりを見せる。
色づいた唇が窓から差し込む朝日で照った。
「あれじゃないかな?新学期だし環境変わるから不安だったとか。」
「んー、かもねぇ。何考えてんだろうねー。」
「ははっ…きっといろいろじゃないかな?」
「んー…あ、そだ!今日始業式だから早く終わるしカラオケ行かない?
ユリたちも誘ってさ!」
「あー…ごっめん!今日終わったらバイトなんだ!」
手を合わせ謝る。昨年度、カラオケで何度も一緒に遊んだ。
「ありゃ、まじか。んじゃ、また今度誘う!…あたしこっちだから!」
「あ、うん!じゃあまたね!」
そんな話していると、いつの間にか今日から使う教室のドアの前。
手を振りながら友人と別れた。
「また…ね」
多分もう一緒にカラオケに行くことはないんだろうな。
なんとなくそう感じた。
悲しみなどは特に何も感じることなく、
昨年度と似たような教室の木床を踏みしめ、ドアをくぐった。
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