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「あ、お母さん?急だけど休みが取れたから帰ることにしたよ。うん、お父さんにも伝えておいて」
泊まる準備をして、私は家を出た。歩いているとふと鼻に良い香りが届き、視線を向ければ花屋があった。
「花か」
なんとなく店先に置いてある花を覗いていると、店員に声をかけられた。
「何かお探しですか?」
「え、いや……あの花言葉ありますよね?」
「はい」
「その……ごめんなさいって意味の花なんてありますか?」
「え?」
「あ、やっぱりいいです。ないですよね、そんなの」
恥ずかしさに慌てて店を出ようとした時だ。
「ありますよ」
「え?」
そう言うと店員は店の奥に行き、戻ってきた時には手に紫の花を持っていた。
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