繋がる想い

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「すごいでしょう?お姉ちゃんのお墓の周りにだけ咲いているのよ?」  姉の墓の周りには囲うように、小さな青い花がたくさん咲いていた。まるでそこだけ花畑のようだった。 「さあ、手を合わせて」  墓の前にしゃがみ込むと、持ってきた花束を置いた。手を合わせた私に母が言った。 「この花ね、ネモフィラって言うんですって。綺麗よね。この時期いつも咲くのよ」 「ネモフィラ……。」 「あなたを許す」 「え?」 「ネモフィラの花言葉よ。桜、あなたはとっくの昔に実に許されていたのよ」  あなたを許す……いいの?私のせいで死んじゃったのに。こんな私を許してくれるの? 「この花ね、ちょうどあなたが就職した時から咲き始めたのよ。実もあの世から見ててあなたの気持ちが分かったんじゃないかしら?実と同じウェディングプランナーになったのも、あの子のためだったんでしょ?」  私はゆっくりと頷いた。 「さ、十年分たっぷりお姉ちゃんと話しなさい。お母さんはその辺りで待ってるから」 「お母さん……。」  私は目の前に広がるネモフィラを見つめた。そしてゆっくりと目を閉じると、実に話しかける。  お姉ちゃん、あのね……。
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