ジャージャーのフォース

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 視認しづらい黒のパーカーを着たジャージャーがバナムの前に立っていた。 「何だよ、入ればいいのに」 「いや、入りづらい店だなって」  薄気味悪い緑の電灯に照らされた店内を指差す。その先にちょうどミートした店長が、舌にぶら下げたピアスを爬虫類の笑みでこちらに見せびらかす。  店の奥にはよく見る女がいた。ヒールの高いエナメルのブーツを履いた脚。下半身の形がわかるスカート、胸の先端を示すシャツ。 「いらっしゃい。ジンでいい?」  店長はいつもどおり水煙草を咥えて大量の煙を吐き散らかした。 「ちょっとライム混ぜて。あとこいつ、ジャージャー」 「へえ。ヨーダにジャージャーか。スターウォーズごっこでもしてんの?」 「まあそんなとこ。一応人間界の名前は慎太郎ね」  ジャージャービンクスのように図体もパーツもでかい。愛嬌のある顔には馬鹿正直に見えるでかい口が付いてる。だからジャージャー。 「お前は?何飲むの」 「なあヨーダ、俺初めて見た、あれ水煙草だよな。あんなでかい吸引機で吸うんだな」  世間知らずを無視して、店長は別のグラスにもジンを注いだ。
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