✾✾初恋の思い出

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✾✾初恋の思い出

歩道橋の中央にいる彼女の元へ駆け寄る。肩で息をしながら呼吸を整え、彼女の横顔を見つめた。初めて会ったあの日と同じ、ミントグリーンのカーディガンに白いワンピースを着た彼女がふわりと髪の毛をなびかせながら空を仰いでいる。 華奢な彼女の体がさらに痩せ細ったように見えて太陽の光に透けて見える。このまま消えていなくなってしまいそうでドキリと心臓が跳ね、恐怖の波が僕を飲みこみ、さらっていく。 「見とれてるの?」 「いやっ!……じゃなくて……うん……」 くすりと笑うと彼女は僕から視線をはずして空を見上げた。 「会えない間少しはわたしのこと考えてくれた?」 「かっ、考えていた……よ。ずっと……考えていたよ」 熱くなっていく顔をごまかすようにうつ向くと、つまりながらも自分の気持ちを素直に言葉にした。いつもなら伝えたい思いから逃げて、見てみぬふりをして言葉にすることさえしなかった。でも彼女には僕のすべてを見透かされているようで、ごまかしがきかないと思ってしまった。だから普段は言葉にすることも恥ずかしいことでも伝えなくてはいけないと思った。 「だから……君のこと……」 「そっかぁ……わたしの作戦勝ちだね」 「作戦勝ち?」 「キミの性格上、わたしが残した言葉が気になって答え合わせをしないとモヤモヤする!だから早く君が言いたいこと教えてよ~って夜も眠れなかったんじゃないかなって」 自分が言いたいことを当てられて思わず押し黙る。
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