21g

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21g

『魂の重さだよ 人間は死んだら21g軽くなるんだ』 そうやって私に背を向けてベランダでタバコを吸いながら彼は答えた 私のことが見えてないのに、何故わからないとわかったのだろう あぁ、そうか そういえば彼は私の彼氏だった 『だけど命の重さじゃない もし、科学的にそれが証明されたとしたら誰も外に出る人なんていやしない』 彼は低い声でそういった 『だから人間は死にたくなるんだろうな』 そう言って彼は月に手を伸ばした 届くはずもないのに『あともう少し』と言って背伸びをして ……背伸び? 背伸びだけじゃない 彼は今度は手すりに足をかけ始めた
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