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月
『何してるの!?』と私は叫んだ
真夜中、深夜2時過ぎのことだった
『…何って、俺はこの月を手に入れたいんだよ』
彼は笑っていた
何を言ってるんだろう、この人は
…何がしたいんだろうか
『月は人の心を映す…か』
彼はそう言って手すりに腰掛けた
彼が後ろに体重をかければここから真っ逆さまだ
ビルの21階、重力加速度9.8
彼は笑ってこういった
『俺は魂の行き着く場所が知りたいんだよ
…だから自分で実践しようと思ってさ』
…それってもしかして
勘づいたときにはもう遅かった
走り出す体
落ちていく彼
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