あなたの事は信じていない

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あなたの事は信じていない

「あなたの事は信じていない」 ハルに言われた 悲しかった 涙が止まらなかった 一緒に住んで5年も経つのに 色々あったけど、今は、働いてお金も入れてくれている スレ違いの生活だけど、犬達の為には、 誰かがいつもいるから 一之が横浜に来ている間 ハルに犬の世話をお願いした 「好きな人がいる」 と、言っても出て行ってくれなかった ハルがいなければ、娘が泊まりに来て 犬の世話を頼めるのに 一之が、来ている間は 熱海のホテルを予約して一泊し 次の日は、江ノ島や鎌倉を案内した 中華街やランドマークタワー、山下公園 ずっと一緒にいた 最後の日、新横浜迄送って、別れた 一之には、ハルはED でセックスレス 警察に相談しても、家庭裁判所に相談しても 好きな人がいると言っても出て行ってくれないと、本当の事を話した セックスレスで、スレ違いでも 生活費8万円入れてくれている 犬の為にも、それでいいと思っていた 食事を作り、洗濯をして、駅まで車で送り 内縁の妻、と思っていた その頃私は、近所の中華レストランで働いていた 働く時間は、短いので、給料も少ない ハルから、生活費を貰っていたから ぎりぎり生活は出来ていた レストランと言っても、ラーメンがメイン 30年くらい前からある店だ 店長は30代の男性 30年勤めている女性スタッフがいた 私は、派遣で江ノ島のレストランや 結婚式場、コース料理のレストランで 働いていたが、通勤を考えて 家の近くで探した その女性は、見た目は、恐そうな人 野村沙知代さん似だった なぜか、私は彼女に嫌われていた 過去にも、何人か、彼女が原因で辞めているらしい 私は、勤めて一年間、彼女に挨拶をしても、返事すらしてもらえなかった でも、高校生のアルバイトが多くいて 今時の学生は、土日や連休は休みが多く 親や祖父母から、充分なお小遣いを貰い 土日は友達と遊ぶ 私が学生の頃とは違う 私は、土日メインで仕事をしていた ゴールデンウィークやお盆の時期は、 8連勤とかもあり、お店に必要とされていると思っていた ある日、休憩時間に、パートの女性スタッフに相談をした 野村沙知代似の人に嫌われてる気がする と話した 何人か辞めていると言う話もその時に聞いた 彼女が言った 「最近、○○さんに挨拶されていない人いる?」 私は言った 「それ私です」 彼女は 「この店は○○さんに嫌われたら、 続けられないのよ」 私は、30代の店長に相談した 「○○さんに嫌われたら 辞めなければいけませんか?」 店長は言った 「人材的には、欲しいけど、 ぶっちゃけ、そうっすね」 その話を、ハルに話した ハルは、夜勤明けで、家に帰って来て ビールを飲んでいた その勢いもあって、 「俺がお店に話をしに行ってやる」 と言って出掛けた 私は、辞めるつもりだったから 止めなかった 私は、彼が何を話すのか心配だったので ICレコーダーを持たせた ○○さんを呼び出し 「挨拶もしないって、家のやつが言ってた 大人として、どうなの?」 みたいな話を大きな声で怒鳴っていた その録音を聞いて、私は嬉しかった 彼が、私の為にしてくれた事に 彼は言った 「これで辞めないですむな」 私が辞めると言うと、激怒した 「俺がお前の為に、言ってやったから 辞めないで続けろ」  いつも彼は、自分の考えを人に押し付ける人だった 私は、それが嫌だった 彼は、貯金が100万円貯まっていた 私は、辞めて暫く休みたい と言った 彼が働かない間、私が頑張ったのだから、 その間は、貯金があるんだから、生活費を お願いしたいと私は言った 「一緒に出掛ける訳でないし、 休みの日は、寝てばかり 仕事して寝るだけの生活じゃ つまらないよ」 「私は、貯金出来ないのに、ハルは貯金している、ハルが働かない間、私が面倒見ていたじゃない」 「俺が貯金しちゃ、いけないって言うのか」 「そう言う事じゃなくて」 私は、手の痺れや、頭痛が気になり MRI 検査をしていた ハルは、私に、一緒に住む前に住んでいた アパートは引き払ったと言っていた 荷物は、業者に頼んで棄てた と、言っていた いくら掛かったのか、聞くと適当な金額を言っていた 私は、ハルがそこの家賃を払った 振込み記録用紙を見つけた 貯金があるのも、隠していた 私は言った 「貯金があるなら、出て行って欲しい」 自己破産しているから、アパートの契約が出来ないと言う 「私が具合悪い時は、助けて欲しい」 「なんで、家賃払い続けていた事を 私に隠していたの?」 と、私が言うと ハルは、言った 「あなたの事は、信用してないから」 私は、悔し涙が出た
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