ダイエット ※

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ダイエット ※

 課長にアルバムを見せて貰った。その中に、タバコを咥えている写真があった。今より少し若い頃。 「幸也さん、喫煙者だったんですか? 吸っているところ見たことないけど。禁煙したんですか? 」  タバコの煙は好きではないけれど、課長がタバコを吸う姿は、ちょっと見てみたかった。  課長は苦笑しながら、ブラックコーヒーを飲んでいる。 「喫煙するとな、体力がもたなくなる。あきを満足させてやれなくなると困るだろ」 「幸也さん、俺が絶倫みたいな言い方して……」 「はは、あきは若いからな。俺は、タバコやめて、太った気がするよ。飯が旨くなった」 「俺の下手な料理でも、美味しそうに食べてくれますよね」 「あきの料理は下手じゃないよ。ちょっと独特なだけで。俺は旨いと思っているよ」 「幸也さん、独特って……。うぅ、ちゃんとレシピ見て作りますよ。これからは」  課長は家事が得意だ。料理も上手い。俺も一人暮らしだから料理をするのだが、おおざっぱで凝った料理は作れない。 「幸也さん、太ることを気にしているなら、運動すればいいんですよ」 「あぁ、だからジムに通ったんだがな……」  以前、課長がジムに通って体を絞ろうとしたとき、俺は放っておかれて寂しいから、痩せなくていいとわがままを言ったのだ。 「ええ。ジムも良いですが、家の中でも運動は出来ますよね? 」  俺は課長を上目遣いで見て、誘うように唇を舐めた。 「そうだな。あき、おいで」  課長の瞳が、俺を射抜くように見つめていた。  優しい課長が、欲を孕んだ男の目をする。そういうの、俺にだけ向けられているのだと思うと、ぞくぞくするくらいの優越感を感じる。 「幸也さん、んっ、そんなに舐めたら……、俺の乳首、とけちゃいますって……」  課長が、俺の乳首を舐めたり、甘噛みしたりする。課長の大きな手が、わき腹に這わされる。  息があがる。 「気持ちいいか? ここ、こうされるの好きだよな」  課長の手が、乳輪をくすぐる。わざと乳首には触れてくれない。 「……も、右も、乳首、触ってほし……っん」  言い終わる前に、キュッと先をつままれて、体に電流が走ったみたいに、ビクッとした。  両手で胸を愛撫されて、唇は、腹へ。へその中に這わされた舌に、下半身がズンと重くなる。そこが勃ちあがり、課長に触れられるのを、いまかいまかと待ち望んでいた。 「あき、先走りすごいな。ここも、パンパンになって、すぐいっちゃいそうだな」 「ゆきやさん……」  視線で弄るくせに、そこに触ってくれない。太ももに這わされる舌と、時折吸い上げられて、快感をたかめるのに、肝心のその場所を放っておかれて、切なくて、たまらなくなる。 「おねがい、もう、触ってください」  悪戯っぽい瞳が、そんなおねだりの仕方じゃだめだと言っている。 「いじわる……。も、もう、俺、我慢できないから、ゆきやさん、俺の気持ちいいところ触ってください。そして、イかせて? 」  出来るだけ可愛く聞こえるようにおねだりする。恥ずかしいけれど、優しい課長は、俺の頑張りを褒めてくれる。 「いい子だな。あき。ほら、俺の口の中で出していいからな」  手で、ふくろを揉みこむようにしながら、俺のそこを咥えて、唇で、舌で、愛撫される。 「あぁ、ゆ、ゆきやさん、そんなにしたら、もう、俺、でちゃいます……」 「かわいいな、あき。ほら、イっていいぞ」  先端を舌でほじくるようにしながら、ジュッと吸い上げられて、俺は課長の口の中に射精してしまった。  課長は、口の中の精液を掌に垂らして、濡らした指で、俺の窄まりに触れた。円を描くように撫でられて、ぞわぞわと言い知れない期待感に出したばかりのそこが、また芯を持ち始める。 「いれて、ゆきやさん。指で、俺のいいところ触って、気持ちよくして」  その言葉を待っていたかのように、つぷりと、中に指が差し込まれた。  一本で抜き差しされていた指が、いつの間にか増やされて、気付いたら、三本の指が、中でバラバラに動いて、時折、前立腺を掠めて、俺に声を上げさせる。 「も、もう、いいから、きてほしい。ゆきやさんの大きいので、俺の中、ぐちゃぐちゃにして? 」  理性が溶けて、俺は課長が欲しくてたまらなくなる。課長は、そっと口付けて、ぐっと押し入ってきた。  指とは違う硬くて太くて熱い課長のそれに、俺の中は喜んでぎゅうぎゅうとそれを締め付ける。 「あき、もっと緩めて。気持ちいいけど、俺が動けない」  あやすように唇を舐められて、はくはくと息をした。 「上手だ。あき、動くぞ」  最初は緩やかに、次第に、激しくなる動きに、俺は何も考えられなくなっていく。  ただ、課長の温もりと、過ぎた快感に、甘い喘ぎを漏らすことしかできなくなった。   「みずのみたい」  声が掠れている。 「ほら、起き上がれるか? ゆっくり飲めよ」  課長にコップを手渡される。そんな課長も、ちょっと疲れている様子だ。  さすがに、夜が明けるまで抱き合うのは、体力的にきつかったのだろう。 「あきのおかげで、体重が減った気がするよ」  そう言って課長が笑った。  言えないけれど、こんなダイエット方法じゃ、俺の方が先に痩せる気がする。俺はそう思って、苦笑いをした。
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