スイートルーム ※

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スイートルーム ※

 今日は俺の誕生日である。たまたま休みの前日だったこともあり、課長にホテルのディナーをご馳走になった。そのままホテルのショットバーでお酒を楽しんでいたら、少し酔ってしまった。課長は当然のようにホテルの部屋へと連れてきてくれた。初めて泊るジュニアスイート。豪華な内装に、酔いも醒めた。 「わぁ! 夜景が綺麗ですね。課長、ありがとうございます」  大きなガラス窓の向こうには煌めく夜景。ふかふかの座り心地のいいソファに大きなベッド。人生初のスイートルームなのだ。物珍しくて、あちこちキョロキョロしてしまう。 「あき、俺はバスルームにいるから、気が済んだら入っておいで」  課長の言葉に、俺は子供のように浮かれたことがちょっと恥ずかしくなる。 「待って、幸也さん。俺も一緒に入ります」  広くて綺麗な浴室で、課長に頭と体を洗ってもらって、お返しに、俺も課長を洗ってあげて、ジャグジーバスに一緒に入った。  背中に課長の温もりを感じて、幸せで、ほうっと息を吐いた。 「ご満足いただけているようで何よりです。お姫様」 「幸也さん、お姫様はないですよ」 「じゃぁ、王子様か? 」 「それもおかしいですって」  俺達はクスクスと笑いあった。 「のぼせる前に出ようか」  課長の言葉に、立ち上がる。  俺の中心も、課長のも、緩く兆していたが、あえて触れずにいた。  浴室でいたしてのぼせてしまうのももったいない。どうせなら、広いベッドでゆっくりと愛し合いたかった。 「課長、今日は本当にありがとうございます。最高の誕生日でした」 「あき、まだ今日は終わってないだろ? ほら、キスしてくれよ」  肌触りの良いバスローブを脱がせあいながら、俺は少し背伸びして、課長の唇に口付けた。 なにも身に着けずに抱きしめられて、課長の肌と触れ合った場所が熱を持つ。口付けが深くなって、俺は縋るように課長の首にしがみついた。唇が離れたと思ったら、足を掬われて、いわゆるお姫様抱っこの状態になる。 「わぁ、幸也さん、大丈夫ですか? 俺、重いのに」 「そうだな。出会った頃より重くなって嬉しいよ」  そっとベッドの上におろされて、課長が覆いかぶさって来た。  もう一度、重なる唇。課長の手が、俺の首筋を撫でて、もう片方の手で頭を撫でられた。ただそれだけなのに、俺のお腹がきゅんとなる。お尻に、課長のそれを挿れてほしくて、そうして、お腹の中を課長のもので満たしてほしくて、たまらなくなってしまう。 「幸也さん、お風呂で解してくれたから大丈夫だから、ゆきやさんの大きいの、もう挿れて」  課長に、浴室で中まで洗ってもらったから、俺の後ろはもういつでも受け入れられる。俺ははしたないおねだりをした。 「悪い子だな、あき。そんないやらしい子になって、俺以外を誘惑したりしてくれるなよ」 「幸也さん以外なんて嫌だ。俺は幸也さんじゃなきゃ嫌だよ」 「ああ、そうだな。分かっているよ、あき。愛しているよ」  もう一度キスをして、課長は俺の体を横向きにして、課長に後ろから抱きしめられた。足を絡ませあう。薄い胸を揉まれて、乳首がつんとたちあがる。 「ゆっくり挿れるから、ちょっと我慢な」  窄まりに課長のそれがゆっくりと挿ってくる。  課長の左手が、俺の乳首を優しく摘まむ。右手が、俺のそこをそっと握った。  課長の唇が、耳を食む。急に耳の後ろを舐められて、俺はその感触に驚いて悲鳴を上げそうになって慌てて口を抑えた。 「あき、気持ちいいな。ゆっくり動くから、声を抑えるなよ。あきのかわいい声、いっぱい聞かせてくれよ? 」  課長のそれが、俺のいいところを掠めて、甘い喘ぎが絶え間なく漏れた。  乳首を捏ねられて、そこを優しく愛撫されて、首の後ろを吸い上げられた。 「気持ちいい……俺も、幸也さんを気持ちよく出来てる? 」 「もちろん、あき、とても気持ちいいよ。あきの中は最高だ」  普段のセックスよりもゆっくりとした交わりは、俺を幸せな気持ちで満たした。  がつがつと、貪られるようないつものセックスも好きだけれど、たまにはこんなスローセックスも悪くないと、俺は思っていた。
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