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1年後
時がたつのは早いもので、俺達はもう高校2年生になっていた。
驚くことに同室者の若松は、チワワ系男子から、程よく腹筋が割れたイケメンに成長していた。
一年で俺の背を追い越し、筋肉もつき、今のあだ名は王子様だ。もう、ケツを狙われることもないという。
若松がこのような変化を遂げたのは理由があって、ちょうど一年前に好きな人ができたからだそうだ。クラスメイトに聞いた。
いや~本当にイケメンに成長したと思う。最近は姿を見るたびドキドキする。
そんなことを思いながら寮の自室へ帰る。俺と若松は2年生になっても同室のままだ。
「おかえり!」
と若松の元気な声が聞こえてくる。
好きな人ができてから、こうして早く帰ってくるようになったし、男も連れ込まなくなった。
いい変化だ。若松の想い人よ、ありがとう。
勝手に彼の想い人に礼を言い、
「ただいま」
と笑顔で返して、リビングのソファーに座る。
若松も隣に座り、俺に話しかけてきた。
「今日、なんの日か覚えてる?」
「なんかあったっけ?」
「初めて俺が智久にまともに話しかけた日だよ」
「そういえばそうかもな」
この一年で、いつの間にか若松の一人称は僕から俺に変わり、俺のことも下の名前で呼ぶようになった。
「それと同時にね、俺が智久のことを好きだって自覚した日でもあるんだよ。」
「そうか、そうか。って」
えっ!?と俺は大きな声を出す。
「あの日、智久は、抱かれる側ならいいって言ったよね?」
若松が見たこともないような色っぽい顔で言う。
そのために俺、頑張ったんだよ?
耳元で囁かれ、優しく抱きあげられた………
その日、俺は自分の部屋の風呂で腸内を洗浄され、それでもいっぱいいっぱいなのに、お姫様抱っこで別途に優しく降ろされ、たくさん喘がされた。
翌日、腰が痛くて起き上がれなかったときはびっくりした。土曜日だったので良かったが。
その後散々充希を詰り、好きだと言われて赤面し、俺も最近意識していたことを話し、無事に両思いとなった。
今では学校公認のカップルだ。俺たちを描いた同人誌?なるものもあるようだ。充希は、俺の教育上良くないと言っていたが。
何はともあれ、俺は幸せだ。
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