悪夢の連続

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そこへ、都筑さんが通りかかった。 「……何してるんだ」 給湯室の出入口から横目に見られただけだったが、傍目には私と桃木さんが仲良く手を繋いでいるように見えるため、都筑さんも怪訝そうな顔で中へ入ってくる。 桃木さんは繋いだ手を宙に上げ、都筑さんに見せつけた。 「仲良くなったんですぅ、莉央さんと」 嘘ばっかり……。 しかし鈍感な都筑さんがこの妙な空気に気付くはずはない。 私は彼女の手を振りほどくことができず、力の入っていない手をされるがままにするしかなかった。 「初対面だろ、桃木。馴れ馴れしい呼び方をするな。有村も困ってるだろ」 あれ……? 珍しい、あの都筑さんが助け船を出してくれるなんて。 「本当に仲良くなったんですよぉ。迷惑はかけてません。ねぇ、莉央さん?」 「え? えっと……」 「ダメだ。仕事中なんだから、有村のことは名字で呼べ」 そう言い放った都筑さんは、「えー」と反抗する桃木さんが私の手を解放するまで、厳しい表情を崩さなかった。 やがて手が離れ、ホッと胸を撫で下ろす。 都筑さん、私を庇ってくれた……? こんな風に桃木さんを叱ってくれるとは思わなかった。 ……ちょっと嬉しい。 ヤバい、顔が緩みそうだ。
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