10・尾形サイド

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 今朝だって、席でパンくわえてたから 『あれ先輩、今メシですか』って聞いたら『うん…寝坊した』ってくわえてる顔が!  オレは髪をくしゃくしゃ掻き乱した。  たまらん、可愛いすぎ!  男なのに。男だけど……守りたい。もう、傷ついてほしくない。  先輩は、沢村さんと付き合ってたなら、男オーケーなのかな。それとも沢村さんだったから、なのかな。  あの時、もし勘違いされずに、そういう好きだって認識されて……拒否されてたら。距離をおかれて、今までみたいに話せなくなったら。  ――いやだ。それはいやだ。  嫌われたくない。そばにいたい。 「はあ……」  こんなに、誰かを想うなんて、初めてだ。    *** 『あ……っ、尾形……』 『先輩……』  白く滑らかな肌に指を這わせるたびに、その持ち主は甘い声を上げる。胸の突起はすでに二つとも固く立ち上がり、オレの唾液でてらてらと光っている。それをまた強く抓り上げる。 『やっ、あん……っ』  艶やかな声とともにビクリと全身を奮わせる。 『先輩……好きです……』 『ん……っ、俺も……あっ』  細いけどしっかり筋肉のついた両足を開き、自分の猛々しく反り返っているモノをあてがう。 『先輩……っ、入れますね……』  恥ずかしいのか先輩は腕で顔を覆って、こくりと頷いた。 『あっ……!』 『先輩……っ』  がばりと布団から跳ね起きた。心臓がどくどく音を立てている。 「何だ……夢……?」  冷たい感触に、思わず下半身を見るが確認しなくても分かる。 「マジか……嘘だろ?」  はあああ、と大きなため息をついて、両手で頭を抱えた。
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