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「志木も、
疲れたやろ?」
「うーん。なんか、
おなかすいたかな。」
う、、わ、、、ワロタ。
・・・めっちゃかわい。
ほんま、志木は、かわいい。
なんやろ。
かわいいんや。
そこらの女子と空気が違う。
って、
ガン見し過ぎそうになった!
やべぇーーー!!
と慌てて目を逸らすと
志木が、サブバックを
ゴソゴソし出す。
それから、
個別パックに入ってる
ストロベリーチョコを2つ
オレに差し出してきた。
「あげる。」
「おまえ、このクソ暑いのに、
チョコとか、持ち歩いてんの?」
「あ、ごめ、」
いや。
ちがう、まて、ちがう、
イヤミじゃないぞ!
ちがう、ちが、イヤイヤイヤ
ヤィヤィヤィヤ!!
引っ込めそうなチョコを
奪い取る。
「あ。」
「え。食うし、」
「あ、、うん。どうぞ、」
今度は、
志木が困ったように
笑ってくれた。
あ、うん、やっぱ、ええな、
笑ってくれたら、ええんや。
包みを開けると、
やっぱ、若干、ドロドロ感のある
チョコがいた。
となりの視線が、
また、申し訳なさ色に
変わったけど、
心配せんで、ええよ。
オレ、
ちゃんと、食うもん。
迷わず口に入れた。
大丈夫やろ?
と、
志木を見ると、
やっぱ、困ったように
笑い返してくれ
そのタイミングで、
クラスのドアが開いた。
「はーい。前回テスト返します。今回の査定は、クラス替え対象になるので、必ず、ランクチェックして変更あれば、次のタイムスケジュールを把握してから帰宅するように。」
この塾のクソ意地悪いとこは、
オンラインで
いろんな通知をしてくるのに、
この
クラス替えのタイムスケジュールだけは、
廊下の掲示板に張り出しだ。
それ、
モラハラちゃうんか!!
って、マジで思う。
一瞬にして静かになった室内を
見渡す。
この静けさは、きらいだ。
いやな、空気だ。
いつもそうだ。
学校のテスト返却より、
塾の方が、みな、恐怖だ。
ここで落ちれば、
その先の目標が遠くなる。
そんな体験を
何度も何度も繰り返して、
ずっと、
オレと志木は、
一緒のクラスだった。
その志木が、
たぶん、今回、ヤバい。
笑顔なく、俯いた彼女を
見つめた。
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