運命

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*** 「おいで!じーたん!」 「わう!」 「しーたんもおいで!!」 「わふ!」 全力疾走で駆けてくる犬達を抱き締める。 この温もり。ジロの温もりにそっくりだ。 ─私はこの黒い子を選ぶよ。 この子はジロと似ても似つかない。 ...いつまでもジロに縛られずに、だけど忘れずに。 この子を...飼いたい。大切にしたい! ─そう言うと思ってたわ。 じゃあそれを評価して...両方飼いましょう! ─え...!いいの!? 「じーたん、しーたん、ご飯だよ!」 じーたんとしーたん。 黒い子がじーたん。 ジロの意思を受け継いだ子。 白い子がしーたん。 白いからじーたん。 私たちは、どちらも分け隔てなく愛している。 ─ただし!その黒い子はあなたがお世話するのよ?白い子は私たちがお世話してあげるけど。 ─いいよ。私が二匹ともお世話するよ。 「こらっ!私の服を噛むなああ!」 ─1か月後─ 「ジロ。久しぶりだね。」 ジロのお墓を撫でる。あの頃のように。 「わっふ!」 ペロペロ じーたんとしーたんはジロのお墓を一生懸命に舐めていた。 「ジロ、今の私にはこの二匹がいる。 今までありがとう。この二匹と一緒に、私は生きていくからね。 ─ジロ。大好きだよ。」 お墓を抱き締め、歩き出した。 じーたん、しーたんと共に─
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