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「おいで!じーたん!」
「わう!」
「しーたんもおいで!!」
「わふ!」
全力疾走で駆けてくる犬達を抱き締める。
この温もり。ジロの温もりにそっくりだ。
─私はこの黒い子を選ぶよ。
この子はジロと似ても似つかない。
...いつまでもジロに縛られずに、だけど忘れずに。
この子を...飼いたい。大切にしたい!
─そう言うと思ってたわ。
じゃあそれを評価して...両方飼いましょう!
─え...!いいの!?
「じーたん、しーたん、ご飯だよ!」
じーたんとしーたん。
黒い子がじーたん。
ジロの意思を受け継いだ子。
白い子がしーたん。
白いからじーたん。
私たちは、どちらも分け隔てなく愛している。
─ただし!その黒い子はあなたがお世話するのよ?白い子は私たちがお世話してあげるけど。
─いいよ。私が二匹ともお世話するよ。
「こらっ!私の服を噛むなああ!」
─1か月後─
「ジロ。久しぶりだね。」
ジロのお墓を撫でる。あの頃のように。
「わっふ!」
ペロペロ
じーたんとしーたんはジロのお墓を一生懸命に舐めていた。
「ジロ、今の私にはこの二匹がいる。
今までありがとう。この二匹と一緒に、私は生きていくからね。
─ジロ。大好きだよ。」
お墓を抱き締め、歩き出した。
じーたん、しーたんと共に─
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