monologue

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ほら、天使が歌っているよ。 誰かが言った。あれは、誰の声だったろうか。 破滅への序曲。 天使が奏でる、審判の音色。 空いっぱいにひろがる、不穏な、そして壮絶に美しい交響曲(シンフォニー)。 ─あの日、世界は姿を変えた。誰も望まぬ姿へと。恐怖を纏った(おぞ)ましき姿へと。 雑多な人の群れは、濁流のように地下へと逃れていった。逃げ遅れた、憐れな者たちは… 嗚呼。 神様なんて居なかった。 違う。神は、居た。だけど、それは僕たち人間が胸に(いだ)いていたモノとは全く別の存在だった、ってだけの話だ。 (カミサマ)、は、人類のことなんて歯牙にもかけない。 自分の飼っている天使どものエサくらいにしか考えていなかったんだ。こんなことになって、初めてそれに気付くだなんて。 神も悪魔もあるものか。 それらは全て同一の存在だったんじゃないのか。 (ああ、そう言えば。魔王(サタン)って言うのは本当は、神の意思の下人類に試練を与え試す存在だったんだっけ?) それなら僕らの存在理由って? 神の庭に放たれた家畜? …まさか! そんな。
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