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「それにしても、久しぶりに動物園に来たら、改装されて綺麗になっててびっくりしたわ。昔は、こんな感じじゃなかったんやで」
颯手はわたしの機嫌を直そうとするかのように話題を変え、キリン舎の上の遊歩道を見上げた。
「そうなの?」
「うん。全体的にもうちょっと古い感じやった。こんな遊歩道は無かったで。ここは小学生以下は無料やから、昔はよく誉と遊びに来てん」
懐かしそうに目を細めた颯手を見て、ふたりの子供時代はどんな感じだったのだろうと思った。もうひとりの従兄の神谷誉と颯手は、お互いに一人っ子なこともあり、兄弟のような間柄だ。
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