京都桜小径の喫茶店~星の灯り~

2/15
前へ
/15ページ
次へ
「それにしても、久しぶりに動物園に来たら、改装されて綺麗になっててびっくりしたわ。昔は、こんな感じじゃなかったんやで」  颯手はわたしの機嫌を直そうとするかのように話題を変え、キリン舎の上の遊歩道を見上げた。 「そうなの?」 「うん。全体的にもうちょっと古い感じやった。こんな遊歩道は無かったで。ここは小学生以下は無料やから、昔はよく誉と遊びに来てん」  懐かしそうに目を細めた颯手を見て、ふたりの子供時代はどんな感じだったのだろうと思った。もうひとりの従兄の神谷誉(かみやほまれ)と颯手は、お互いに一人っ子なこともあり、兄弟のような間柄だ。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

436人が本棚に入れています
本棚に追加