another3 羅刹

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another3 羅刹

 ある日の夜。  竜はファイナルと寝ていた。  誰かの気配に気付いて竜は起き上がる。 「何日も顔を出さないと思ったら。そういう事か。」と声が聞こえた。  竜はそばにあったナイフを取り出し、襲いかかった。  が、羅刹の刀で当然止められる。 「いきなりご挨拶だな。竜。しかし、嬉しいな。俺もお前が恋しかったんだ。」 と言い出す羅刹。 「竜!彼は敵じゃない!」 とファイナルがあわてて止める。 「なるほど。状況はわかった。俺にもその役目、やらせくれないか。」 と羅刹。 「お前に任せると竜が汚れる。」 とファイナル。 「ひどいな。それに竜が決めることだろう?」と羅刹。 「よし。やっぱり殺そう。ここで死ね。羅刹。竜。やれるかい。」とファイナル。 「……。」 「竜?……もしかして。」 「やりたくないみたいだな。」 と笑い出す羅刹。  竜の肩を掴んで 「竜!あいつは汚れている!ダメだ!」 と引き留め始めた。  すると 「俺はもう汚れてる。それに強いし、断ってもまた来る。」 と竜は言った。 「早めに消せば良かった……。」 と後悔するファイナルだがもう遅かった。  ファイナルの頭に強い衝撃が走る。  そして薬をファイナルの口の中に放り込む。 「これで邪魔者はいなくなったな。」 と羅刹は嗤うのだった。
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