いち

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僕は、所持金が少ないため特待生となっている。 特待生は毎年、1年間の成績、編入試験の結果、 または家柄をみて学年で3人撰ばれる。 選ばれたものは、学園内で発生するお金に関しては、全て負担される。 しかし、授業を3クラス続けて無断欠席すると、 強制的に特待生から外されてしまう。 また、一般生徒より多くの課題が毎日のように出される。 つまり、特待生は家柄が庶民であっても、将来を期待されているというわけだ。 僕は、ひとつ大きなあくびをして、ベッドからのそりと降りた。 ドアノブを回し、自室からリビングへと移動した。 冷蔵庫を開けてみたが、何もないため朝ご飯を食べることを諦め、コーヒーメーカーをセットした。 コーヒーが、出来上がるまでにシャワーを浴びるため、脱衣所へと移動した。 シャワーを浴び終え、制服に腕を通し、またもやリビングへと戻った。 コーヒーが丁度出来上がったため、マグカップにコーヒーをなみなみと注ぎ、リビングの椅子へ腰掛け、目の前の机にマグカップを置いた。机の上に置いてあるスマホで今日のニュースについて調べ始めた。 コーヒーをすする音、マグカップを机に置く音が交互に聞こえる以外何も聞こえないリビングで今日もいつも通りの朝を過ごす。 コーヒーを飲み終え、シンクに置き、マグカップの中に水を溜めた。 水筒を棚から出し、コーヒーメーカーに入っている残りのコーヒーを水筒に入れた。 隣に置いてある棚から薬とカロリーメイトを取り出し、自室へ戻る。 学校指定の灰色のリュックサックにタブレットとさっき取り出したもの、耳栓をいれ玄関へと向かった。 玄関で、茶色の革靴を履きリビングを振り返る。 誰もいない静かなリビングにいつも通り声をかける。 「いってきます。」 無駄に頑丈な重たい扉を開け、学園へと向かう一歩を踏み出した。 そう、今日もいつも通りの毎日が始まると思っていた。  
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