いち

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いち

ピピピピピピピピピピピ 「う、う〜ん……。」 ガシャン 無機質な目覚まし時計の音で今日も僕は朝を迎える。 デジタル時計の画面を見ると、6時と表示されていた。 今日もまた学校に行かなければならないと思うと、自然と溜息が溢れおちる。 「ハァー。」 僕がこの学園……「私立桃源郷高校」に通ってもう2年目に入る。 この学園はいわゆる“御坊ちゃま高校”だ。 生徒が学園に莫大な支援金を支払っており、その支援金を元にこの学園が成り立っている。 なので、必然的に莫大な支援金を出さなければ学園に入学することが出来ないため、有名所の御坊ちゃま方が多く入学してくる。 また、小中高大の一貫校であり、その教育過程で日本のトップを担うための英才教育を施される。 一見、非の打ち所がないように見える学園だか、 大きな問題がある。 それは、全寮制の男子校である点だ。 この学園を創立した方は、生粋の日本男児であったため、男が主体となる日本を作り上げようとした。 しかし、世も移り変わり女性への偏見を見直す動きが出てきたため、世間からはあまり良い印象をうけていない。 また、編入するのがとても困難とされているため、多くの生徒が16年間を共に過ごすこととなる。 外出する際には、正当な理由が必要となるため学園外と接する機会はインターネットか長期の休みのみとなる。 よって、恋愛対象が男となる。 現在の学園はホモが4割、バイが5割、ノーマルが1割となっている。 教師に関しては、男女どちらでも着任する事は可能であるが、ハーレムを期待して着任してきた哀れな女の教師達は1週間とたたずに辞めていってしまったため、男の教師しかいない。 僕の容姿は背中を覆う位の黒髪の後髪、 鼻が隠れる位の前髪、 瞳の色は………銀色だ。 いわゆる下の下位の容姿である。 学園内では成績、家柄と共に容姿も重要視されるため、僕は空気とかしている。 虐められているわけでもなく、好かれているわけでもない。いわゆる、関わる価値も無い為、無関心という訳だ。 僕は、人と関わるのが得意ではないため、友達を作ろうとは思っていなかったが、多少なりとも悲しさを感じる。 またもや、溜め息が僕の口からこぼれおちた。 「ハァー。」
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