透けていく、花と共に

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「求めすぎたらそれでも別にいいじゃない。一緒に居られればいいじゃない。わたしは、終わりが欲しくないだけ。別れも欲しくない。ずっと白亜と一緒に在るだけの存在でいたい」  そうして櫻子の瞳からぽつりと水滴が落ちた。白亜が初めて見る櫻子の涙が真白く可愛らしいサンカヨウへ。 「好きよ、わたし。白亜のことが。透明で清らかなあなたが」  清楚な人、サンカヨウの持つ花言葉のひとつ。櫻子にとって白亜以上にかの言葉が似合う人間は存在しない。  自由奔放、サンカヨウの持つ花言葉のひとつ。まるで櫻子にぴたりとはまる言葉。  それではまるで僕らを形容する花のようだと白亜が笑った。涙は止まった。代わりにこころが嬉しいと泣いている。 「ほら、また。こころが泣いてる」 fin.
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