5月のお茶会で僕らは

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夕焼けが窓からさしてくる。 水道水がそんなに冷たくないなと思いながら使ったお皿を洗っていた桜は、隣の大和に 「大沢先輩、今日はありがとうございました」 「え?ああ、新入生歓迎会なんだからお礼を改めて言われると照れるな」 と泡だらけの手をブンブン振り回す。 「ごめん、顔にかかったよね」 とっさに袖でガードしてた桜は彼の慌てた声にそっと腕をおろしてくすっと笑う 。 「あれ?ここは笑うところなの?」 不思議そうな顔の大和ににっこりと笑うと 「先輩は黄色いガーベラみたいですね」 「それってみんながさっき言ってた花言葉に関係するの?よくわからなかったんだけど」 教えて東雲さんと皿洗いをしていると背丈がちょっと近づくので、少し顔が赤くなる桜。 「親しみやすい……って意味です」下を向いて一生懸命洗っているふりをしながら彼女が答えると 「ほう、じゃあ東雲さんはビオラかな。紫色がなんとなく似合うよね」 「意味わかって言ってますか?」 「ぜんぜん」 またも教えて東雲さんっと今度は拝むポーズまでつけてくる。 すでに洗い終わったピッチャーなどを洗いかごに入れ終えたようだ。 「ちょっと可愛かったので教えてあげます」 ぼそっと言ったからか周りの騒がしゆえか大和はうん?って首をかしげている。 「ビオラの花言葉は誠実ですよ」 「やはり東雲さんにぴったりだったね」 にっこり微笑んだ大和は2年生の女子に呼ばれ言ってしまった。 桜は洗い終わったコップを洗いカゴに入れると、持ってきた黄色いガーベラとお土産にともらった大和特製のクッキーの袋を大事に抱えて教室を出て行く。
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