雨の日のナルキッソス

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水仙の花言葉は、「自惚れ」「自己愛」。 (うつむ)き気味に咲く白い水仙の 薄い花弁が 枯れていくときにみせる くしゃくしゃと(しお)れる姿は いかにも哀しい。 ナルキッソスは昔、 水に映る自分の姿に恋い焦がれて 自分(それ)を求めて 死んでしまった。 そうして彼は、水仙になった。 そんな伝説。 恋い焦がれるほど 自分を見つめるとは どういうことなのだろう。 それほど自分を 愛した人は。 自分を見つめて 愛さないなら 自分を世界に打ち出すなんて できるのだろうか。
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