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今回の依頼を受けた女性は結愛という24歳の女性であった。
市役所事務という堅実な職業をしているのにもかかわらず、いつもシワ一つしないスーツを着て、高めの位置で括った髪を颯爽となびかせて出勤する姿は、キャリアウーマンを思わせた。
そんな女性私生活は活発的だろうと勘ぐって、下調べをしたものの、平日及び休日の生活も特筆すべきようなこともなく、結局彼女は堅実な人間なのだろうという考えに行き着いた。
そうなってくると特段迷う時間も少なく、交際に至るまでのプランは容易に計画できる。
彼女の生活圏に住まう人間として、偶然の積み重ねを装い接近していくというシンプルな手法で問題はないだろう。
喉が乾けば、ただの水でさえ美味しく思えてしまうのと同じことだ。
偶然の積み重ねで出会う異性というものは、刺激の少ない日常を送る者にとっては、1つ1つの接触が運命にも思えてしまう。
ただ会うという客観的にはシンプルだが、本人の主観としてドラマチックに映り、この進め方をとることは今までも少なくなかった。
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