コスモス

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不意に隣にいた彼が何かを呟いた。 「今、何か言った?」 聞き取れなかった私は彼に訊ねた。 「本当に…綺麗です」 「あぁ、うん、そうだね」 私はコスモスのことだと思い彼の言葉に賛同したのだけれど 「…あなたのことですよ」 「え?」 あまりにも小さな呟きだったためによく聞き取れなかった。 「い、いえ、なんでも…ないです」 急に顔を赤らめた彼の顔をマジマジと見てしまう。 そして自然と口から出た言葉。 「ふふっ、君ってなんだかコスモスってイメージピッタリだね」 「え?ぼ、僕が…ですか?」 「うん、控えめなんだけど凛と真っ直ぐ立っていて、花びらもすっとしていて存在感がある。なんだか私、コスモスを見ると君を思い出すよ」 「~~そ、其れは」 「あっ、男子なのに花に例えられて気を悪くしちゃった?」 「い、いえ!違うんです。ぼ、僕の方こそ」 「?」 「僕の方こそ、コスモスを見ると……あなたを思い浮かべます」 「え…そう?」 「はい。花言葉も含めて姿形、与えてくれる雰囲気もイメージ通りです」 「そういえばコスモスの花言葉ってなんだっけ?」 「…其れは」 「確か色で意味が違うんだよね」 「はい、そうです」 「君から見て私って何色って感じなのかな?」 「……あなたは出会った時から今でもずっと変わらず…僕の中では白色なんです」 「白?…そっか、ピンクじゃなくて白なんだ」 「…はい。花言葉は…どうかご自分で調べてみてください」 「え、教えてくれないの?」 「ちょ、ちょっと僕の口から言うのは恥ずかしくて……すみません」 「……」 (何、其れ) そんなに恥ずかしい花言葉なのか?──と少し不安になった。
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