リスの兄妹のお願い

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リスの兄妹のお願い

 「りす君達じゃないか! どうしたの?」  ニッキは子供のリスの兄妹の手を引っ張って連れてきた。  「あのね、これが欲しいんだ」  りすの兄妹はおそるおそる、言った。リスたちが指さしていたのは、ピンク色のマグカップだった。  「おばあちゃんのなの」  「おばあちゃん、死んじゃったんだ。だからおばあちゃんが使っていたモノが欲しいんだよ。おばあちゃんはね、いつも、寝る前にホットミルクを作って、このマグカップで飲んでいたんだよ」  「小さなお鍋でミルクを温めてね」  「ダメダメ!」  リードッグは胸の前に組んだ手をせわしなく、組み変えた。 「リスのお父さんがマグカップに捕まってしまうかもしれないし。つまり、君たちみたいにモノを取りに来た人が、持って帰らないように見張るのがオイラの仕事なんだ」  リードッグはそっぽを向いた。質問は受け付けません、と言っているみたいだ。  すると、グリンの頭の上で話を聞いていたレインが、マグカップの縁に飛び乗った。そしてくちばしでカツカツとつつくと、マグカップの色が虹色になった。  「ほっほーう!」  グリンが言った。  リードッグはにっこり笑った。
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