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「では、行っていらっしゃい。何かわかったら教えてください」とカメレオン店長はあくびをした。
「お腹がいっぱいになったら、眠くなってしまいました」
目をぱちぱちしているカメレオン店長に手を振って、グリンとニッキとレインはゴミ山に向かって出発した。
「ゴミ山、どこにあるんだ?」
グリンは傘にしている大きな里芋の葉っぱを傾けて、雨のしずくををこぼしながら聞いた。軽くなった葉っぱが、ふるんっとはねた。
「森の西側のはじっこの方だって。ぼく、ちゃんと聞いてきたんだ」とニッキは胸を張った。
森の西に向かって歩いていくと、こんもりとした山が見えてきた。
「あれ? おかしいなあ。行き止まりかな?」
ニッキが駆けだして行って、山のふもとまで着いた。
「うわー」
ニッキは山を見上げて口を開けた。
「ほっほーう!」
グリンが言った。レインはグリンの頭の中から飛び出して、山の一角に飛びおりた。ニッキは端から一つずつ手に持って、名前を言った。
「壊れたイス。折れたスプーン。紐のなくなったスニーカー。歯ブラシ。針のない時計。古いテーブル。」
とにかく山はありとあらゆるモノで出来ていた。
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