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ゴミ山に住んでいるのは?
「壊すなよ。大事なものなんだから」
山のモノの影から、すくっと立ち上がった生き物が言った。
「きみ、誰?」
ニッキが目を見開いて聞いた。
その生き物はニッキの質問には答えずに、首を伸ばしてグリン達をじろじろ見た。
「へえ! めずらしいな。グリンに人間の子供に、虹色の鳥だ」
その動物は後ろ足で立っているせいか、細長い。クリーム色の毛に丸くて小さな耳。笑っているような小さな黒目で、短い手を胸の前で組んでいる。
「そう。こっちはグリン、そこの鳥はレイン、僕は人間の子供のニッキ」とニッキは自己紹介した。
「それで、君はだれ?」ともう一度たずねた。
「オイラはプレーリードッグのリードッグ」
グリンは山のモノを手にとっては、くるくると回して色々な角度から眺めていた。
「どれがゴミなんだ?」
「ゴミィ?」
リードッグは甲高い声で言った。
「ゴミじゃないよ。大事なものだって言っただろ」
「これ、全部?」
ニッキは山を指さした。
「そうさ」
「これ、ぜーんぶ?」
ニッキは背伸びをして両手を大きくぐるっと回して、山の全部を手で指し示した。
「そうさ。これ、ぜーんぶだ」
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