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ニッキは手に持ったものを上にあげて、グリンに見せた。それはニッキのグーふたつ分の大きさの、虹色をした……、
「レインの卵のカラだよ!」
ニッキはよく似た別の卵かもしれないと思って、手の中で卵をくるくると回してよく見た。
「うん、やっぱりレインの卵だ。ほら、ここの黄色とオレンジの混じった感じ、割れ目のギザギザの形も間違いないよ!」
「うん、オレもそう思う」
グリンも卵を覗き込んで、うなずいた。
「でもどうしてレインの卵のカラがここにあるんだ?」
「そういえば、いつの間にかなくなっていたんだよ」
グリンとニッキが黙ってリードックを見ると、慌てたようにリードックが言った。
「言っておくけど、おいら、盗んでないからな! 突然あわぶくみたいに、出て来るんだよ」
ぴっぴ、とレインが賛成するように鳴いた。
「これ、持って帰ってもいい?」
「うーん。……やめた方がいいと思うぞ」
リードックはちょっと困った顔をして言った。
「でもレインが生まれた卵だよ。レインだって懐かしいんじゃない?」
ピピッとレインが鳴いたので、ニッキはリードックを説得して、卵のカラを家に持って帰った。
その夜、レインは卵の中で眠った。
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