62人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
「ほーう」カメレオン店長が目を見開いた。「ゴミ山が出来たらしいのは、喫茶店のお客さんが話していたよ。だけどどうしてグリンがゴミ山を作ったってことになるんだい?」
「知るもんか!」
ニッキはさっきよりも大きく、がぶりとおにぎりに噛みついた。
「グリンはね、動物たちは、森に起こる悪い事がみんなグリンのせいなら安心するんだろ、って言うんだ」
「うーん」
カメレオン店長は答えに困ってうなった。
ニッキはおにぎりをゴックンと飲みこんだ。
「ボク、ゴミ山の持ち主に文句言う! お前のせいで、グリンが悪者にされてるんだぞって言ってやるんだ!」
グリンはお腹の中がくすぐったくなって、椅子の上で丸い体をよじった。ニッキがグリンのために怒ってくれたので、嬉しかったのかもしれない。
それから「だけどゴミ山の持ち主は、ゴミ山を持っているだけだろ」と、グリンは言った。
ニッキは口をとがらせたままだったけれど、「うーん、それもそうだね」と言った。
「それじゃあ、ゴミ山がどんなか見てみたい!」
今度は、ニッキは興味で目を輝かせた。
「オレもそう思う」とグリンは言った。
イラスト:熊野菜名様
![b6382050-af78-4f79-b041-2c2a0df2f3ec](https://img.estar.jp/public/user_upload/b6382050-af78-4f79-b041-2c2a0df2f3ec.jpg?width=800&format=jpg)
最初のコメントを投稿しよう!