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「その洞窟は、まるで地獄のようだったよ!
多くの人が拷問にあっていて、とても見るに堪えられなかったよ!」
篤仁は、自分が見た恐怖体験を話してくれた。
「何でその洞窟内で、人が拷問にあっているの?」
僕がさらなる疑問を口にすると、
「僕にも分からないよ!
まるで実際に拷問にあっているようにしか見えなかったよ!
僕は耐えられなくて悲鳴をあげてしまったんだよ!」
と正直に体験談を話してくれた。
僕はインターネットの記事に『幻の自画像』にたどり着くためには、決して後ろを振り向いたり声を出してはならないと書かれていたことを思い出した。
「『幻の自画像』を見るためには、後ろを振り向いたり声を出してはいけないんだよね!
篤仁は声を出してしまったんだね!」
僕がその時の状況を篤仁に問いただすと、
「そうなんだよ!
あまりの恐怖で声を出したとたん、僕はいつの間にか洞窟の外にいたんだよ!」
と篤仁は不思議な出来事を話してくれた。
「一颯、絶対行かないほうがいいよ!」
篤仁は僕のことを本当に心配して言ってくれていると感じた。
「分かったよ!」
僕は篤仁の話に納得したような口調で答えたが、「行かない」とは口に出さなかった。
この時の僕は、いつか行こうと決心していた。
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