彼女の名前

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「和泉、部下にはもうちょっと優しくしてやれよ」 俺と久遠のやり取りを聞いていたのか、次は同期の──如月(きさらぎ)が声をかけてきた。 コイツに関しては俺と同等の立場で、営業部二課のチーフを任せられている。 営業部は二つに分けられており、営業部一課と営業部二課はいつも競争しているのだ。 「余計なお世話だ。久遠、この資料明日までに作れ。分からなければ俺に聞け。分かったか?」 「は、はい!分かりました!」 「和泉、ちょっと話がある。いいか?」 「ああ」 如月に呼び出しをくらい、俺は席から離れた。
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