207人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ?」
せっかく上機嫌で出社できたと思った矢先──これだもんな。一気に不機嫌さマックスで俺は久遠を睨みつける。
「え、いや…だから、その…」
「ちゃんと考えて発言しろ。分かったな?」
「す、すみません」
久遠は俺の部下であり、仕事が早く且つ愛想もいいからこの仕事に向いている──と見込んだ俺が唯一信頼している人間だ。
久遠にだけ、かなり厳しく仕事を教え込んでいた為、営業部ではエースともいえる存在なのだろう。
実際、月ごとの取引先確保率も久遠だけが数値を上回っているのだ。
まあ…たまにこうして突っかかってくることもあるが。
俺はそんな久遠を見て、良いと思ったのが本音。
大体の部下は媚を売ろうとしてきて、正直面倒くさい。
最初のコメントを投稿しよう!