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「若い子がこんな夜中に出歩くと危ねぇぞ」
しまった。
思わず声をかけてしまった。
「……」
シカトか、こら。
声をかけたことに後悔した。が。
「帰る場所、ないの」
小さくて、掠れた声で彼女は答えたのだ。
それに直結したのは手首の赤い痣。
もしかして──虐待?
「そうか」
とは答えたものの。
これはどうするべきなのか?
事情を聞くか?深入りはしない方が良さそうだが。
そこでサディストの血が流れた俺は彼女にこう提案していた。
「うち、来るか」
「うん」
それが、彼女──ミライとの出会いだった。
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