スミレの花との日々

1/1
前へ
/4ページ
次へ

スミレの花との日々

「こうして私と不思議な喋る花との生活が始まったのです。最初は戸惑っていた私も、時間とともにこの花の存在を受け入れ、やがてかけがえのないものになっていったのでした」  いや、受け入れてないしかけがえなくないから。  なにしれっとモノローグ入れているのさ。 「そうは言うけど、夜明けとともに目覚める喋る花のおかげで、毎朝確実に起きられるようになったじゃないか」  夜中の寝言と歯ぎしりがうるさくて眠れなくなった上に、あんた朝起きてたことなんてないじゃない。 「そうだっけ?」  窓の外においてやろうかしら。 「やめて、まだ夜は寒いんだから……」
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加