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12 日目『スポーツ・学園で400字』
やられっぱなしのドライブサーブをサチが見事に上げた。もしかしたらひっくり返すことができるかもしれない。
ポワーンと上がったボールはナギの手の中にすっぽり入ると、コウに向かってしっかりとした放物線を描く。
助走をとっていたコウはドンピシャのタイミングで上がったトスを、体を思いっきり撓らせて相手コートに叩き込んだ。
相手のリベロがギリギリに拾ったボールがポーンと上がる。
「ネット超える!」ベンチから叫んだ。
チャンスボールだ。
そのとき、ネットギリギリに立っていた相手のセッターがジャンプ。彼女の指先がほんの少し触れるとボールは軌道を変えた。
意表をつかれた三人がそれぞれボールに向かって飛び込む。
でも、ボールはポンと音をたててコートに落ちた。
コートに倒れこんだ三人の上で虚しくゲームセットの笛の音が響いた。
*(↓400オーバー分)
ベンチに戻ってきたメンバーを補欠の後輩と一緒に拍手で迎える。コーチも監督も立ち上がって拍手している。
痛いほど手を叩きながら「おつかれ」そんな声をかけた。
サチ、凪、コウ、三人の同級生の引退試合。本当なら私もあのコートにいたのに。膝を壊した私はマネージャーとしてユニフォームを着ずにベンチにいる。
と、三人が私の前に並ぶ、その後ろに後輩たち。
「ミー、ありがとうございました!」
三人が声を揃えて頭を下げる。そして後輩たちが続いた。
「自分もコートに立ちたいのに、マネージャーとして私たちを支え続けてくれてありがとう!」
コウの言葉に二人がしっかりと頷いてくれた。
そのときに涙がでた。もう二度とボールを追えないとわかったとき以来、初めての涙だった。
↓
400字では試合の風景で精いっぱいでした(;'∀')
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