14日目『「誤解」をテーマに随筆』

1/1
前へ
/33ページ
次へ

14日目『「誤解」をテーマに随筆』

   そもそも私のように関西生まれ関西育ちの人間にとっては、どの言葉が関西弁でどの言葉が標準語なのかということは、改めて調べなければわからない。 「これ、ほっておいて」を「保管しておく」だとか「放置しておく」と解釈されることは、昨今よく聞く話で注意するようにはしているけれど。  社会人になったばかりの頃は、なるべく標準語を使うようにと言われていたし、東京のクライアントも持っていたので頑張っていたとは思うけれど、気が付いて質問してもらえるのはありがたいことだった。  東京のメンバーに質問された言葉のひとつに『とごる』があった。昔から家族はみんな使っているし、私の友人たちも使っている言葉なので大阪弁だったんだと思いながら、意味を説明した。  つい先日、職場の後輩との何気ない会話の中で「そのジュースよ」と伝えた。彼女は生粋の大阪人。なのに「とごるってなんですか?」と返ってきた。「沈殿してるっていうか・・」意味を伝えながら、なぜ?と思って休憩室にいたメンバーに聞いてみると誰もわからなかった。そこにいた全員、大阪出身者。  不思議に思って、オフィスに戻ってすぐにその言葉を調べた。『とごる』は三重方面で使われている言葉だった。  言葉というものはおもしろい。なぜ三重方面の方言が私の出身地、兵庫県の私の周りでだけ通じていたのか(他校の友人は知らなかった)。  違う意味を持つ同じ言葉なんてのも方言にはあるのかもしれない。言葉を扱う者としてもっと勉強しなければいけないなあ。 くわばらクワバラ。 ↓ 字数気にせず書いちゃいました
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加