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きゃっきゃきゃっきゃ、と盛り上がる2人になんか疎外感を感じる。
仲が悪いのも問題だけどあまり仲良くされるのも嫌だ。
ムッ、とする俺をよそに2人はどんどん盛り上がっていく。
(...沖の馬鹿...)
少しぐらい俺にもかまってくれたっていいじゃないか、と内心文句を呟いて寝室に向かった。どうせリビングに居たって暇なだけなので取りあえず寝室で着替える事にする。
もぞもぞと着替えていればガチャリ、と寝室のドアが開いた。
「奈緒ー?」
沖がひょっこりと顔を出してコチラに近付いてくる。俺はムッ、としたように沖を睨んだ。
「着替えてんの?てか何か機嫌悪い?」
「別に。機嫌なんて悪くないよ。」
ムスッ、と言えば沖はキョトン、と首を傾げる。嗚呼自分が凄く嫌な奴に思えてこんな自分大嫌いだ。
「やっぱ機嫌悪いじゃねーか。何怒ってんの?」
「機嫌なんて悪くないって言ってるでしょ。」
凄くトゲトゲしい言い方。姉に嫉妬なんて嫌になる。
着替え終わって寝室を出ようとすれば腕を引かれた。後ろからぎゅっ、と抱き締められる。
「もしかして奈緒拗ねてんの?俺がかまってやらなかったから美奈子さんに嫉妬?」
図星をつかれて言葉に詰まった。一気に頬が赤くなる。沖はククッ、と喉を鳴らして笑った。
「奈緒可愛いね。」
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