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「...うーん。そんなもん?」
複雑そうな表情を浮かべる沖にムッと、する。美奈子さんは姉であってそれ以上でもそれ以下でもないというのに。
「何なの?何が不満なワケ?」
不機嫌そうに言えば沖は困ったように笑った。何だその微妙な笑みは。
嗚呼もうめんどくさい奴だな、と溜め息をついてソファーに座る沖に跨った。
「俺が好きなのは沖だけだって言ってるでしょ。」
噛みつくようなキスをして沖を見つめる。沖は一瞬面食らったような顔をして見せてその後すぐにふにゃりと笑った。
「奈緒デレてる。」
は?、と眉をしかめれば沖は俺の髪をすくように撫でる。その手つきが酷く優しくてコテン、と沖に体重を預けた。
「...ホントに美奈子さんはただの姉だからね。」
ボソリ、と呟くように言えば俺の頭を撫でる手が止まる。そしてそのまま抱きしめられた。
「奈緒が好きなのは俺だけなんでしょ?」
笑みを含んで言うそれにちょっとムッとする。
「調子乗らないでよ。」
「のってねーし。つか俺も奈緒のコト好きだよ。」
ちゅ、と頭にキスを落とされた。それが何だか無性に心地良くてウトウトする。
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