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目が覚めてみれば俺を抱きしめたまま沖も眠っていた。スヤスヤと気持ちよさそうである。けれどずっと俺を乗っけたままだなんて重かっただろう、と心の中で沖に謝った。
のそり、と沖の上からどけば机の上に置いてあった俺のケータイがチカチカと光っているのが見える。
(メール?)
ケータイを開けばメールの送り主は美奈子さんだった。
大丈夫?、という心配のメールとその数十分後におめでとう、という謎の祝福のメールが2件。大丈夫?、というのは分かるとして何がおめでとう、なのだろうか。
(てゆーか...もう日付も変わってるし色々悟ってるのか。)
何となく1人恥ずかしくなっていれば沖も目が覚めたようで後ろから沖の声が聞こえた。
「奈緒ぉ?」
やけに自分の名前を呼ぶ沖の声が子供っぽくてまだ寝ぼけてるのだと知れる。沖の方に向いて口を開いた。
「起こしちゃった?ごめん。」
「大丈夫。つかメール?」
「うん。」
「誰から?」
「美奈子さん。」
そう言った途端沖の顔が一瞬曇ったような気がした。まったく沖という男はしょうがない。
「言っとくけど美奈子さん結婚して旦那とは大絶賛ラブラブ中だからね。」
呆れたように言えば沖は目を丸くした。何をそんなに驚く事があるというのだ。
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