本編

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「あの人って何歳?十代に見えたんだけど。」 「俺の8歳年上。」  沖は見えねぇー…、と呟いて頭をガシガシとかいた。  まぁ、姉弟と言ったからそんなに年上には思えなかったのだろう。 「3人目の再婚の相手だからね。それだったら8才離れてても可笑しくないでしょ?」 「3人目!?」  嗚呼そう言えばこれも言っていなかったか、と思う。まぁ、いずれはバレる事だろうし沖になら言ってもいいと思う。 「うん。うちの母親ね男を取っ替え引っ替えして何回も再婚してるの。美奈子さんの父親とはとっくに別れてるしもう何回再婚したかも分からないよ。」  沖はびっくりしたような顔をしてたけど何処か納得したような顔をしていた。 「だから奈緒何でも諦めたような感じしてたんだな。」  そう?、と聞けば、おぅ、とあっさり返されて沖は案外自分を熟知しているんではないか、と感心してしまった。 「俺は親ケンカばっかしててうるせえし俺に八つ当たりするしでちょっとグレた。」  にへっ、と笑う沖少し呆れる。笑い事じゃないと言うのに。 「グレちゃ駄目じゃない。」  クスクスと笑って言えば、それもそーだな、なんて真顔で言う沖にまた笑ってしまった。  そのあとは美奈子さんにメールを返信して一緒に沖のベッドで寝たのだった。
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