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「会わせてくれなきゃ学校に乗り込むからね。」
にっこり、と笑顔でとんでもない事を言われた。げんなりと美奈子さんを見つめてから、はぁ、と盛大に溜め息をつく。
やっぱり美奈子さんには適いそうにない。
「...沖に話してみるよ。会うのはそれからでいいでしょ?」
呆れたように言えば美奈子さんは満足したようでコクリと頷いた。
「んじゃ~日にち合わせておいてね。」
会う事は決定事項なのか、とまた溜め息をつく。沖が嫌だ、って言ったらどうしよう、と少し憂鬱になったのだった。
***
「んぁ?奈緒の姉ちゃんが会いたいって?」
月曜の昼休み、いつものように屋上での昼食時に美奈子さんの要望を沖に言ってみた。沖は一瞬びっくりしたような顔をしてからニコリと笑う。
「俺も会いてー。んでもって謝罪する。この間は見苦しいトコ見せたし。」
以外にもあっさりと了承してくれた沖にびっくりした。てっきり嫌がるものだとばかり思っていたのに。
しかし沖が会ってもいいと言うなら話は早い。
「いつならあいてる?」
「俺はいつでもあいてる。暇人だかんねー。」
「じゃあ、あいてる日美奈子さんに聞いておくね。」
そう言って美奈子さんにメールしてみたらすぐに返信がきた。美奈子さんもいつでもあいているらしい。会うなら早い方がいいと言う美奈子さんの要望で会うのは今日の放課後になった。
まったく忙しないったらありゃしない。
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