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シェットは麗しく可憐。
その歩いたあとには花の小道が出来ると噂される程に眩しく輝く娘だった。
誰もがシェットを可愛がり見惚れ、大切に大切に扱った。
シェットを特にかわいがったのは祖母で、シェットが会いに来てくれるのを心待ちにしていた。
祖母は赤いビロードの頭巾をシェットの為に拵えた。
それがとてもよく似合ったのでシェットは他のものをかぶろうとしなくなり、赤い頭巾のお嬢ちゃんと呼ばれていた。
蝶よ花よと育てられたシェットも年頃の美しい少女へと成長していた。
お気に入りの祖母の頭巾も三代目となり、少しばかり大人びたデザインのものを選ぶようになったがやはり色は赤を好み真紅、今では赤い頭巾のお嬢さんと呼ばれている。
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