告白

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告白

「今見たこと、誰にも言わないで」 声がかすれている。こんな柊の声は聞いたことがない。すごく緊張しているのが分かる。私も震える声で尋ねた。 「今の人と付き合ってるの?実果は?」 柊はすうっと息を吸うと 「そう。実果はただの幼馴染」 と答える。 私は足まで震えてきて、思わず制服のスカートをぎゅっと握りしめた。そうして自分を奮い立たせて、どうにか顔を上げる。 「そんな……。実果には言わないの?」 柊は形の良い眉をぎゅっと寄せた。 「言えないよ。実果には耐えられないだろ」 そして一息つくと、思いきったように言った。 「俺がゲイだって知ったら実果以外のやつらもどうすればいいか分からないだろうし、引くだろ。だから頼む。誰にも言わないでくれ」 うなずくしかなかった。 「引くだろ」と言った時の柊の顔がすごく傷ついているように見えて、「引かないよ」と言いたかったけれど、喉がカラカラで声が出なかった。
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