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“__これは、ギリシャ神話の話だけどさ”
と、いつか太陽が教えてくれた。
太陽の神と水の精は結ばれていたのにも関わらず、太陽の神は人間の女に恋をしてしまった。
そのことに怒った水の精は人間の女を殺すように仕向けたのだけれど、女が死んだところで太陽の神の心が水の精へ戻ることはなかった。
それでも太陽をずっと見つめ続けた水の精は、いつの間にか太陽に向かって咲く向日葵の花となってしまった。
“__向日葵の花って切ないね”
と、その時の私は自分の姿と重ねてそんなことを言ったけれど、よくよく考えたら水の精はなかなかのバカだと思った。
だって好きな人を永遠に手に入れたいのならば、恋敵を殺すよりももっと確実な方法があるじゃないか。
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