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“__水脈!”
今でも目を閉じれば、笑顔で名前を呼んでくれる姿が蘇る。
だけどもう、あの頃の太陽はどこにもいないなんて……。
「……そろそろ行きましょうか」
そっと母に背中を押され休憩室から出た私は、会場の中に入ると沢山の花に囲まれた四角い棺の前に膝をつく。
中には記憶の中より少し大人になった太陽が、安らかに眠っていた。
“__太陽!起きてよ!”
毎朝、寝坊助の太陽を起こしていた頃が懐かしい。
あの頃が、私にとっては一番幸せだったように思う。
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