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美人で優しくて誰からも好かれる琴音先輩と太陽は、誰から見てもお似合いのカップルだった。
「……どうしてっ! ……どうしてよっ!」
「……琴音ちゃん」
泣き崩れる先輩を、おばさんがそっと抱き起こすと休憩室まで支えながら歩いていく。
その後ろ姿を見ていたら、ふとあの日のことを思い出した。
“__水脈!琴音先輩からオーケーもらった!”
幼い頃からずっと一緒にいたのに、あんなに嬉しそうに笑う太陽を見たのは初めてだった。
元々、太陽の一目惚れから始まった恋がまさか叶うとは思ってもいなかったから、あの時は本当に驚いた。
……私、本当に驚いたんだよ?
「水脈?」
明後日の方向を見つめていた私に、母が心配そうな顔をする。
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