レオンハルト視点

1/1
前へ
/151ページ
次へ

レオンハルト視点

その頃、日本では… 日本のお偉いさん方が並んで座っている。 あるビルの最上階の会議室でその話し合いは行われた。 「本日は皆様のご想像通り、私の印番を探すため、やって参りました。先日、運命の出会いをしましたが、逃してしまいました。なので、この国での術の使用の許可をお許しください。」 あれから探しに探したけど、見つからなかった。 最終手段として魔法を使う事にした。 こちらの世界では魔法を使うとき特別な許可が必要だ。 まぁ、断られることなんてないだろうけど。 「はい、もちろんです。既に我々での話し合いは済んでおります。」 「以前から印番をお探しになられているようなのでこれらのことを守ってくださるのならば許可致します。」 一番偉い人の秘書から契約書を渡され、確認した。 さらさらとサインをし、針で親指を刺し血がぷくりと出てきたのを確認し、署名のとなりに押し付けた。 この契約書はアルカディア産でちょっとした呪いがかかっているのだ。 契約を交わす両者の血を契約書が吸い込み呪いの関係を築く。 契約書の最後の文に ~此の契約を破りし者は自らの心臓を捧げるものとする。~ と書いてあるから、まぁ、そういうことなのだろう。 当たり前ちゃあ当たり前だが、魔法で国を滅ぼされたら困るからだろうからこその契約書なんだろう。 契約が成立した契約書は赤く燃え上がり消えていった。 「では、殿下。良き印番殿との運命の再会があらんことを。」 「感謝致します。この国のより良い発展と平和があらんことを。」 一礼して部屋を出た。あぁ、やっとで居場所が分かる。 早く会いたい。 この想いだけが日毎に増してくる。 「殿下、居場所がわかり次第迎えを送りますか。」 側近の一人が澄まし顔で聞いてきた。 ホントは待ちきれないほどソワソワしているクセに。 「〜ん、いーや。自分で会いに行くよ。その代わり城での部屋の手配とか宜しく。あ、あと兄上にもあっていかないとなぁ。連絡取ってくれる?」 「はい、直ちに。…殿下口調を改めた方がよろしいかと。」 「…そうだな。気をつける。」 気を引き締め直し、ビルを後にした。
/151ページ

最初のコメントを投稿しよう!

138人が本棚に入れています
本棚に追加