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主人公視点
運命の印番から逃げてから、僕はあるカフェの扉を開いていた。
「いらっしゃい、ルーちゃん。今日も可愛いわね。」
「…おはようございます。店長。」
僕の働いているところだ。目の前には、キレイな女性が。(まぁ、男だけど)
出会った時びっくりしたなぁ。
「もう、クレハさんって呼んでっていつも言ってるでしょ。」
「…クレハさん。……あの、…いや、なんでもないです。今日もお願いします。」
実は、クレハさんも印痣持ちで運命の印番も既にいる。子供はまだらしいけど。
さっきのこと相談してみようかと思ったけど…
今まで散々面倒かけてきたのだから申し訳ない。
クレハさんは、僕が名前で呼んだ瞬間に抱きついてきて、頬ずりしてきた。
僕が途中で言うのをやめたのをどう思っているのかは分からなかった。
「そうね、今日もよろしくね。じゃあ、準備してきてちょうだい。…あと、相談事があるならちゃんと言いなさい。どうせ、ルーちゃんのことだから申し訳ないとかおもってんでしょう?今更だから。それに私悲しいわ。頼られないと。」
僕を離して笑顔で言った。嬉しかった。
「…ごめんなさい。あの、後で聞いてくれますか?相談したいことがあるんです。」
「ええ、もちろんよ。」
心底嬉しそうな笑顔に僕も無意識に笑顔になった。
「…ありがとうございます!クレハさん。」
「もー、ホント可愛い。私達の養子に来ない?嶺くんも大歓迎よ、絶対!」
嶺くんとは、クレハさんの印番の人。嶺さんにもお世話になってる。
チリンチリン
ドアのスズがお客さんがきたことを告げた。それを聞いて、急いで支度をはじめたのだった。
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