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長年の日課となっているホットミルクを飲んでいると、なぜだか普段思い出さないはずの大学の時の親友のことを思い出した。  高校の文化祭のこと、小学生のころ叔父家族と毎年行ったキャンプのこと、中学の時、一週間も吹奏楽部の合宿に行った時のことも。高校二年生の時、初めてできた彼氏のこと。どんなにたくさんの人がいたのだろうと思った。どんなにたくさん出会ってきて、どんなにたくさん手放してきたことだろう、と思った。  大学の時、良く下宿付近の夜道を服も着替えずに走ったことを思い出した。時には自転車で近いけれども知らない場所に行ってみた。疲れるまで走って入れば、色々なことから逃げ出せそうな気持がしていた。でも今は、色々なことが自分を置き去りにしているように感じられた。
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